2000年代以降、日本で多くの韓国歌手、アイドルがブレイクを果たしてきました。そして、2010年代後半あたりから、BTSやBLACKPINKを筆頭に、K-POPアイドルが人気を集めています。若者層だけでなく、中高年にもK-POPアイドルを熱烈に支持する日本人ファンは少なくありません。この記事では、韓国の音楽がなぜ日本でも注目されているのか、原因を解析します。
K-POPブームの歴史!日本で韓国の歌手はどのように受け入れられてきた?
そもそも、日本でのK-POPブームは第1~4次に分けられるといわれてきました。この段落は、これまでの日本のK-POPブームを振り返っていきます。
第1次
2003年、韓国ドラマの「冬のソナタ」が日本で放送されると大きな話題を呼びました。いわゆる「冬ソナ」現象の流れで、韓国の音楽、歌手への注目度が増していきます。この頃、日本で人気になったのは男性アイドルグループの東方神起でした。
第2次
2010~2012年あたりのK-POPブームでは、日本市場を狙ったアイドルグループが中心となります。少女時代、KARA、BIGBANGといったグループがチャートの上位に食い込み、積極的にメディアにも出演しました。K-POPの高いパフォーマンス力が日本でも認められるようになった時期です。ただし、人気グループの活動停滞に合わせ、第2次K-POPブームは下火になっていきました。
第3次
2010年代後半から、BTSやTWICEが日本でもファンを獲得し、再びK-POPブームを巻き起こしていきます。この時期のK-POPアイドルは欧米市場を意識した楽曲が特徴です。ヒップホップやR&Bを取り入れながら、最先端のダンスミュージックが量産されていきました。さらに、グルメやファッションなどでも韓流ブームが起こり、K-POP人気を後押しします。
第4次
2020年以降、新型コロナウイルス感染拡大によってステイホームが続く中、配信サービスへの注目度が高まっていきました。そして、日本でもK-POPアーティストに新しく出会い、のめりこんでいく人が増えます。「梨泰院クラス」「イカゲーム」といったドラマの人気も、韓国カルチャーへの入り口になったといえるでしょう。
日本の音楽と何が違う?韓国の歌手が日本でも支持されてきた理由
ファッションやパフォーマンス、楽曲の雰囲気など、K-POPはJ-POPと違った魅力を備えています。ここからは、日本人がK-POPを愛する理由について考察していきます。
厳しい訓練に裏打ちされたパフォーマンス
K-POPアイドルは養成所時代から厳しい訓練を受け、デビューを目指してきた精鋭たちです。多くの才能ある仲間が脱落していく下積み時代を経て、残ったアイドルたちはハイレベルなパフォーマーに成長します。ダンス、歌唱力ともにスキルは群を抜いており、K-POPアイドルを特別なものにしているといえるでしょう。
コンテンツの充実
日本のアーティストに比べて、K-POPアイドルはインターネットへの対応が迅速でした。そして、2020年代以降も動画配信、ファンクラブ向けコンテンツに力を注いでいます。その積み重ねが、コロナ以降インターネットで音楽に触れる機会が多くなったファンに突き刺さったのです。K-POPアイドルはコンサート映像を本公演から間髪入れずに配信しています。さらに「チッケム」と呼ばれる、推しメンバーに特化した映像も用意されています。そのほか、YouTubeチャンネルでメンバーの素顔をチェックしたり、SNSを追ったりしているファンも多いでしょう。K-POPアイドルは一度好きになってしまうと、コンテンツから離れられなくなる仕掛けが満載なのです。
アイドルの考え方に共感できる
日本のアイドル、アーティストは社会的な発言には消極的だといえます。ただし、K-POPアイドルは社会問題について積極的に発言し、ときには問題提起することも珍しくありません。読書好きをアピールするK-POPアイドルも多く、知的な面が垣間見えるのも魅力です。また、韓国では「ガールクラッシュ」というムーブメントが起こり、女性が憧れるような、かっこいい女性アイドルの存在感が強まっていきました。日本の女性ファンの多くも、ガールクラッシュから刺激を受けています。
音楽は国境を越える!K-POPアイドルの魅力にどっぷり浸かろう
海外の価値観を学べるのは、音楽の素晴らしい部分です。K-POPはJ-POPと違うからこそ、異文化を知るきっかけになるでしょう。韓国と日本のどちらが優れているという話ではなく、違いを楽しめるようになると音楽の聴き方は広がっていきます。動画サイトやサブスクリプションで簡単に新しい音楽を見つけられる時代だけに、K-POPの魅力にどっぷり浸かってみましょう。